joseph-tame-associated press

東京マラソンは、僕の人生の大切な一部分になっています。それは、僕がこの街とそこに住む人々と身近に触れ合うことのできる、年1回のお祭り。そして、足掛け7年、この間に友だちになったみんなが久しぶりに顔を合わせる日。みんなに会えるのは1年のうちでもほんのわずかな時間しかないのですが、その絆は強く、他のイベントや電車、道で久しぶりに会っても、いつも会っているかのように感じます。42kmのレースよりずっと大切なのは、こういった人ととのつながり。

2015年、僕は幸運にもまたチャリティーランナーとして参加することになりました。今回は世界中の子ども達を相手に数多くのすばらしい活動を行っているプラン・ジャパンに募金しました。

2013年のボストン・マラソンの悲劇により、今年の東京マラソンは昨年までの和気あいあいとしたイベントから決別することになりました。コスチューム制限ははるかに厳しくなり、身体から30cm以上突き出るものは不可(つまり1メートルの自撮り棒を頭上に揺らしながら走ることは無理)。バッテリーパックもダメ、2個目のカメラもダメ、頭より大きなヘッドギアもダメ…、と禁止リストは続き、去年までつけていたライブストリーム用機材のほとんどがガイドライン違反となっていました。コースは全長にわたって道の両端にテープが貼られていて(だからコースをはずれるとか、2011年みたいに銀座のアップルストア前でちょっとパフォーマンスするなんて不可能!)、約60名の警察官までもがランナー警護のために走っていました(どんだけ!)。

でも、ルールブックを読んでがっかりすることはありませんでした。このことが、今までよりずっと実用的で軽量なライブビデオシステムを考えるチャンスになると思ったのです。壊れる可能性のある可動部分が少なくて、新型の空港セキュリティもコスチュームポリスもパスできるような、それでいてサポーターのみんなとオンラインでつながることのできるシステムを。

その結果、2010年にバニーの耳をつけて走って以来とびっきり簡単なコスチュームとなりました。機材はシンプルに、2台だけ。
iPhone 6+ 1個
Sony Xperia Z3 1個

Joseph Tame runs the 2015 Tokyo Marathon

身に付けるコスチュームもダウンサイズしなければなりませんでした。自撮り棒にも、さようならを告げて…肩からつきだしたデザインは縮めなければならなかったし、iPhoneに取り付けて僕の鼻の穴のアップを中心に周りを映していた広角レンズも。ヘルメットには、これまで12本の風車を装備していましたが、たったの3本に減らしました。これでセキュリティには問題なく通ると思っていたのですが…。

Going through security

Airport security

当日は、予定していた通り、フジテレビのカメラクルーとセキュリティゲートの前で落ち合いました。彼らはセキュリティ面も取材することになっていたので、僕がぴったりの取材対象になりました。これまでのレースで、ありとあらゆる装備をつけて有名になったあの姿は、もう認められません。マラソンの成績への影響は?ルールの柔軟度は?僕はセキュリティをパスすることができるのか?

Fuji TV film the drama at the start gate

Before the gate

Your costume's too big!

You can't run like that!

remodelling the helmet

Your helmet is too tall!

僕を追いかけるスタッフの取材には、ちゃんとサービスできました。空港みたいなセキュリティチェックポイントを無事パスして大喜びして見せて、この装備で走れることの喜びをリポーターさんに話して。とその時、コスチュームポリスがやってきて、僕のヘルメットは大きすぎて規定違反だと言ったのです。そのあと10分ほど、僕は風車をつけたまま走らせてくれるよう、どうにか頼んでみました。風車を2本引き抜き、メインの1本は短く詰めて、大会スタッフの上司に電話してもらって(2回も)、とにかくお願いして…。それで(大会スタッフにカメラを向けたテレビクルーのおかげもあって)ようやくおさまり、残った1本の風車については許可してもらえました。

フジテレビも一緒に喜んでくれて、マラソンの途中数か所、そしてゴールでも会うことになりました。

これで走る準備は完了。スタートの合図が鳴るのを待ちながら、ライブストリームをスタートさせました。

Ganbarimashou!

実際のところ、iPhone 6+ストリームの品質、弾力性、スタミナには驚きました。これまでのあらゆる点が大きく改善されていることを見せつけてくれたのです。
ソフトウェア/ストリーミングサービス Ustream: 安定した高い品質で、バッテリーの持ちにほとんど影響しなかった。
ソフトバンクLTEネットワーク: 速くて、信頼できる。
iPhone 6+: 抜群のバッテリー持続性、信頼性、大画面で走りながらでも操作しやすい。
装備は、これまで使ったものの中で一番でした。 ストリーミング・マラソンランナーにとって、これは夢です!一日が終わるころには、約6GBの動画データをストリームしていました(その月の残りはデータの回線スピード上限が256kbpsになってしまうこと必至)。

Tokyo Marathon 2015

Tokyo Marathon 2015

Tokyo Marathon 2015

docomo LTEネットワークで使ったSony Xperia(カメラ2)については、評価としてはiPhoneとは比べ物になりませんでした。回線品質は最悪、レスポンスも遅くとぎれとぎれで、ほとんど見られたものではありませんでした。原因はいくつか考えられます。電話搭載のカメラが良くなかったこと。UstreamのAndroidアプリが十分にデータを圧縮できなかったこと。docomoのネットワークでのデータ量に上限があったのかも知れない。 実際、こっちのカメラを最後まで見た人はほとんどいないと思います。

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マラソンの方は実際、いつも通り超しんどいものでした。またしても十分な練習をすることができず、機材の問題で困ることはあまりありませんでしたが、15km地点でもうバテていました。レース中ずっとコメントを送り続けるのもかなり骨が折れるし…、だいたい、マラソンは長いし!サポートチームの奈美とフィルの2人は本当によく応援してくれて、コース途中で何度も食べ物や飲み物を差し入れてくれました。今年もまた、妻と義母、義妹だけでなく息子のリッキーも応援に加わったのが、とても嬉しかったです。去年と違って目の前で起きていることが分かっていたようで、走っている途中、何度か私の姿を見て喜んでいました。また、テツヤ、マリオ、ウォーリー、つぶやき珍走団の仲間、ヨウジ、マーク、その他のみんなの応援にも、とても感謝しています。TwitterやFacebookでメッセージを送ってくれたオンラインサポーターのみんなには、特にレース終盤極度に消耗していたとき、すごく力をもらいました。

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何よりも感動したのは、マラソンを走っている間中ずっと応援してもらったことです。もう、ただ圧倒されるばかりでした。今回の7回目の東京マラソンでは、たくさんのサポーターが去年から僕のことを覚えていてくれました(参加ランナーか、ボランティアスタッフだったのかも知れません)。ヘルメットに名前を書いてもらったのもみんなに名前を知ってもらうことにつながったけれども、去年と違って、単純にヘルメットの名前を読んだ人よりももっと本当に暖かな、わあっと盛り上がる声が、僕を見つけて応援してくれた人から起きていたように思います。
「いつものジョセフ!」と大声で言うのも聞こえました。

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まるで別世界で、誰もが自分の親友であるかのような気持ちでした。みんな一人一人とつながっていて、僕のことを他のマラソンランナーの一人として応援する見知らぬ人のようには感じられませんでした。これは信じられないほどに胸を打つ経験で、心の底からの暖かさを感じました。これからまた1年、がんばり続ける精神力がリチャージされるような力をもらいました。

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完走には約6時間かかりました。去年より30分早く、2010年にiPhoneを手に持ってライブ中継した時の自己ベストより1時間遅いタイムです。本当にしんどかったので、今年、こんなにたくさんの人に応援してもらってチャレンジをやり遂げられたことに、いつもよりも大きな感謝の気持ちを感じています。

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だから、この大会を作り上げてくれた一人一人にありがとうと言いたいです。マラソン大会のスタッフからボランティア、道路脇で応援してくださった皆さん、オンラインの視聴者、そして色々と助けてくれた友達や家族まで。みんなが、僕の今までで一番心に残るチャレンジを支えてくれました。本当にありがとう。

また来年、チャレンジするのが楽しみです!

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